• 日時:2013年9月28日(土)10:00~29日(日)17:50
  • 場所:国立天文台 すばる棟大セミナー室(〒181-8588 東京都三鷹市大沢2-21-1)交通アクセス
  • 主催:国立天文台
  • 共催:天文教育普及研究会
  • 参加費:1000円/人(情報保障費および茶菓子代)
    9月28日(土)夕方の懇親会は、3,000円程度を予定

研究会開催の趣旨

「ユニバーサルデザイン天文教育」とは,従来の天文教育普及活動でとかく忘れられがちな障害者(視覚,聴覚,知的・・・),病院に長期入院中のこどもたちも含め,あらゆる人を対象とした天文教育活動を意味します。宇宙に興味をもち,宇宙について学ぶことは,世代や性別,国籍,障害の有無を問わず,誰でも等しく享受できるべきものです。しかしながら,そのことは,現在,十分共有できているとはいえません。本研究会は「ユニバーサル」な活動を「共に」進めるための基本的考え方や具体的方策を,当事者(障害者),天文研究者,教育者,障害者支援の方々による発言と対話を通じて深める目的で開催します。

2010年の第一回研究会では,「共有(事例紹介)」が中心テーマでした。今回は「共有」を「共生(共に学ぶ)」,「共動(次世代に向け,社会に貢献)」へとつなぐためのキックオフミーティングとします。宇宙を学ぶ喜びや感動の共有をベースに,次世代にむけて天文学の社会認知向上,教育力の拡充,次世代を担うコミュニケーター及び研究者育成のためにどう共動するかが討議テーマです。現在,多くの地域で種々の活動がなされているものの,全国的には相互の情報交換やノウハウの共有が十分にできていないためか,それらの活動は個々で完結しがちです。また,経験の不足から新規参入も困難です。当事者(障害者など)との「共動」も未だ一般的ではありません。そうした事態を打開し「共動」の全国ネットワーク作りを進めることが研究会の目的です。

ユニバーサルデザイン天文教育は,「特殊な立場」にある人々への「特別な活動」ではないことを強調しておきます。「ユニバーサル」という観点で従来の活動を見直すことは,研究・教育者と一般市民の間に横たわるバリアを明らかにし,それを取り除くことにつながります。じつに「普遍性を生み出す活動」なのです。

プログラム

特別講演,招待講演,一般講演のほか,出席者間の意見交換を活発にするためのグループディスカッションを,分科会に分かれて小グループで行います。

※講演タイトルのあとの数字は,講演時間(分)+質疑応答時間(分)

第1日(9月28日)

イントロダクション(10:00~12:00)

  • 嶺重 慎(京都大)     はじめに:本研究会の目的(10)
  • 小久保英一郎(国立天文台)   天文学最前線~惑星の見方(35+5)
  • 長谷川晃子(JAXA)    宇宙に憧れて(25+5)
  • 新井寿(ぐんま天文台)   ユニバーサルデザイン望遠鏡 (16+4) 
  • 磯部洋明(京都大)   低関心・関与層へのアプローチと芸術・伝統文化とのコラボレーション(16+4)

昼休み(12:00~13:20)

昼休み後半12:40から天文台構内見学ツアーを開催します(小雨決行)

障害者セッション1(13:20~15:25)

  • 廣瀬彩奈(大宮ろう学園)     ろう学校における天文教育(25+5)
  • 飯塚高輝(竜のおとし子星の会) 聴覚障害者への天文普及活動 『星の感激を育て』(12+3)
  • 原秀夫(熊本博物館)   熊本博物館における障がい者向けの取り組み(12+3)
  • 飯塚礼子(日食情報センタ-)  プラネタリウムにおける高齢者・障がい者への投影(12+3)
  • 二見広志(天窓工房)    モバイルプラネタリウムでの障がい者対応(12+3)
  • 嶺重 慎(京都大)  バリアフリー天文学教材プロジェクト(12+3)
  • 矢島正志・渡辺 哲也(新潟大学)学習支援教材の開発ー星座早見盤と触地図(16+4)

午後の小休憩(15:25~15:40)

国際連携と地域連携1(15:40~17:00)

  • 高橋慶太郎(熊本大学)     ルワンダでの出前授業(16+4)
  • 小幡真希(星のソムリエ®みたか)カンボジアでの天文普及活動(12+3)
  • 長島美紀(mudef) アフリカへ望遠鏡を(12+3)
  • 高梨直紘 (天プラ)   天プラの活動における地域連携の意義(12+3)
  • 玉澤春史(京都大学)    天文データの利便性の検証:「花山天文台Galleryweek」の報告(12+3)

グループディスカッション(17:00~17:45)

  • グループディスカッション1:自己紹介と活動紹介(45)

懇親会(国立天文台大セミナー室)(18:00~20:00)

20:30 グループ・リーダー会議(初日の反省と2日目グループディスカッションの打合せ)(30分)

第2日(9月29日)

障害者セッション2(9:30~10:50)

  • 藤原晴美(元盲学校教諭)   天文の世界での出会い - 弱視の頃・全盲の今 -(16+4)
  • 小原二三夫(日本ライトハウス) 宇宙のイメージを表現する:私の場合(12+3)
  • 久保博揮(日本ダイバーシティ推進協会)人と宇宙、人と人、そのコミュニケーションの共通点とは?(12+3)
  • 柴田直人(都立久我山青光学園)「科学ヘジャンプ」事業について(12+3)
  • 宇野 伸一郎(日本福祉大)  X線天文衛星ASTRO-H のバリアフリーと科学データ音声化プロジェクト(12+3)

午前の小休憩(10:50~11:05)

障害者セッション3(11:05~12:20)

  • 長谷川貞夫   盲ろう者、視覚障害者のためのプラネタリウム構築とその延長としての天体観測(12+3)
  • 成松一郎(読書工房)    読書のユニバーサルデザインを実現するための活動紹介(12+3)
  • 早川 英男     五十年前程、東京天文台の聴覚障害者がいた!!(12+3) 
  • 高橋真理子(山梨県立科学館)  星の語り部の活動(12+3)
  • 尾関さやか(山梨県立科学館)  ユニバーサルデザインを目指すプラネタリウム番組の制作(12+3)

昼休み(12:20~13:20)

病院訪問セッション(13:20~14:20)

  • 犬飼岳史(山梨大小児科)   小児科病棟におけるミュージアム活動の試み(12+3)
  • 大井瑛仁 (京都大)・有本淳一(洛陽工業高)   京大病院小児科病棟訪問(12+3)
  • 一星昌利(天プラ)・塚田健(平塚市博物館)東京医科歯科大附属病院での天文普及活動(12+3)
  • 尾崎勝彦・福原直人・高橋隼(マリアホスピスボランティア(天文))      ホスピス病棟での観望会(12+3)

国際連携と地域連携2(14:20~15:25)

  • 縣秀彦(国立天文台)   「君もガリレオ!」プロジェクトの紹介(12+3)
  • 臼田-佐藤功美子(国立天文台)・富田晃彦(和歌山大)国際天文学連合天文学推進室でのユニバーサルデザイン研究(12+3)
  • 塚田健(平塚市博物館)    地域と歩む博物館(12+3)
  • 北村まさみ・高橋淳(水海道一高)つくばバリアフリー学習会「宇宙にさわるワークショップ」(16+4)

午後の小休憩(15:25~15:40)

グループディスカッションとまとめ(15:40~17:50)

  • グループディスカッション2:中心テーマ「共有から共生,そして共動へ」に関する意見交換(100)
  • まとめの全体討論(20)
  • 高橋 淳 (水海道一高)   閉会の辞(10)

ポスター

  • 岡村典夫(土浦三高)・並木伸爾(日本原子力研究開発機構) 可搬式40cmナスミス式望遠鏡の製作
    ・車いす使用者は目の高さを大幅に変えることができない。さらに,体が弱い生徒が多いためにバリアフリー の天文台に行けない。そこで,移動ができるナスミス式望遠鏡を開発し,特別支援学校等で天体観測を実施し ている。
  • 並木伸爾(日本原子力研究開発機構) 3次元ブロック核図表
  • 縣秀彦(国立天文台) ヨーロッパでのユニバースデザイン活動の紹介
    ・ポルトガルの "meet our neighbours" プロジェクトなどを視覚障害対応を中心に紹介します。

展示

  • マルチモーダル版『天文学入門』活字版、点字版(全5巻)とそのサンプル
  • 点図版星座早見と星座図の紹介
  • 石創画2点(小原二三夫)

グループディスカッションについて

  • 本研究会は、連続講演会ではありません。出席者がそれぞれ発言し、意見交換する場を重視しています。
  • 全出席者は、希望に基づき、数人の小グループに分かれて、リーダーの下、自由に話し合っていただきます。
  • ご協力をよろしくお願いします。
  • 1日目(45分) 自己紹介の後、自分のとりくんでいる(とりくみたい)課題についてお話ください
  • 2日目(100分)全体テーマ「共有から共生、そして共動へ」に沿って自由に意見交換をしてください
  • グループリーダーは以下の方々です(予定、敬称略)
    有本淳一(洛陽工業高校)、伊藤哲也(国立天文台)、臼田-佐藤功美子(国立天文台)、篠原秀雄(蕨高校)、高橋 淳(水海道一高)、富田晃彦(和歌山大)、藤原晴美(元盲学校教諭)、嶺重 慎(京都大)

参加・講演申込み

締め切りました。

広いテーマの一般講演を募集します。

若干の旅費援助が可能です。希望者はお知らせください。ただし財源は極めて限られていますので,必ずしもご希望におこたえすることができません。あらかじめお知らせしておきます。

申込方法

次のいずれかの方法でお申し込みください。

  1. 申込書[Word]をダウンロードして、必要事項を記入し、メールに添付もしくは、FAXにてお申し込みください。
  2. 下記の「申込書ここから」から、「申込書ここまで」の部分を、テキストエディタなどに、コピー&ペーストして、必要事項を記入し、メールもしくは、FAXにてお申し込みください。

申込先

申込み締切

  • 講演・旅費援助希望の場合:2013年8月30日(金)
  • 参加のみの場合:2013年9月6日(金)

申込書

申込書ダウンロード[Word]

----申込書ここから----

氏名(ふりがな): 
所属: 
連絡先
郵便番号: 
住所: 
電話: 
E-mail(またはファックス): 

研究会参加日
 1日目 9月28日(土): 参加・不参加(不必要な方を消してください)
 2日目 9月29日(日): 参加・不参加(不必要な方を消してください)

分科会の希望:以下の中から参加を希望する番号を書いてください(空欄でも可)。
 1.学校教育・教材作製   2.プラネタリウム   3.公開天文台
 4.病院活動        5.地域連携      6.国際連携

 第一希望:  
 第二希望:  
 第三希望:  

発表希望:口頭発表希望,ポスター発表希望,発表希望なし(不必要な項目を消してください)
 ※発表ありの方
    発表題目: 
  概要(2-3行): 
  パソコンプロジェクターを用意します。ほかに必要な機材があればお知らせください: 

旅費援助希望:希望する,希望しない(不必要な方を消してください)
 ※希望ありの方は,出発地と旅行日程をご記入ください: 

懇親会: 参加・不参加(不必要な方を消してください)

最寄り駅からのガイドヘルパー: 希望する・希望しない(不必要な方を消してください)
 希望する場合の利用駅: JR武蔵境駅・京王調布駅(不必要な方を消してください)
 希望する方はできる限り携帯電話の番号をお知らせください: 

点字資料(視覚障害者に限る): 希望する・希望しない(不必要な方を消してください)

情報保障の希望: 手話通訳・パソコン要約筆記・磁気ループ・FMループ(不必要なものを消してください)

研究会の企画の参考にしますので,以下の項目にお答えください(空欄でも可)。
 1.ご自分のこれまで行った活動・バックグラウンド
 2.この研究会で議論してほしい内容
 3.この研究会または天文教育普及研究会,国立天文台に期待すること
 4.そのほか,要望すること  

----申込書ここまで----

問合せ先

ユニバーサルデザイン天文研究会実行委員会メンバー

嶺重慎(京大:代表),縣秀彦(国立天文台),飯塚高輝(竜のおとし子星の会),伊藤哲也(国立天文台),臼田-佐藤功美子(国立天文台),北村まさみ(つくばバリアフリー学習会),篠原秀雄(埼玉・蕨高),高橋淳(茨城・水海道一高),高橋真理子(山梨県立科学館),富田晃彦(和歌山大),根本しおみ(ペルー地球物理研究所),平井明(国立天文台),藤原晴美(元盲学校教諭)